全国800名の一般消費者を対象に、証券会社の直面している課題や今後期待される販売チャネルなどについての調査を実施、ebookとして公開したことをお知らせいたします。

調査トピックス

  • インターネット証券の評価されている点はスピードと手数料
  • 店頭取引の魅力は担当者の人柄がわかり、自分に合った提案・アドバイスをしてくれる点
  • 一方、店頭取引の不便・不満は「窓口に行くのが面倒」「時間がかかる/手続きが遅くなる」
  • 高齢者顧客のニーズをより深く刺す方法は「インターネット取引に店頭取引と同様に担当者がつく」掛け合わせ
  • マルチチャネルを相互越境させることこそ次世代のチャネル戦略

証券のインターネット取引が広がっています。すでに高齢者層=店頭ではなくなってきており、ネット証券が富裕層への攻勢を強めるなか、選ばれる証券であるためにチャネル戦略の更新が課題になっています。各証券会社が選ばれ続けていくためには、どのようにチャネル戦略を更新するべきでしょうか?

調査結果詳細

◆ネット、店頭の各選ばれる理由

まず最も利用している投資信託の購入手段は、若年層(20代・30代)・高齢者層(60〜80代)ともに「証券会社のインターネット取引」でした。若年層は68%、高齢者層でも50%が最も利用する場所として挙げています。回答した場所を利用する理由を深掘りすると、若年層、高齢者層共に約7割が「スピードが速い」と回答しており、続く理由として「費用が安い」が挙げられています。高齢者だからといって必ずしも店頭に来ているわけではないようです。

店頭に対しては、特に高齢者層で「担当者に馴染みがあり信頼しているから」が証券会社56%・銀行70%と共に高い割合を占め、担当者への信頼はやはり大きな価値があることが読み取れます。一方で若年層は証券よりも銀行の店頭に馴染みを感じている傾向があるのが気になるところです。

また、「近くて便利」も証券・銀行共に一定の回答数を得ており、自宅が近い消費者にとっては、インターネットと同様、店舗も便利なものとして捉えられているようです。

◆それでも富裕層は来店し続けるか?

高齢者層のITリテラシーは現状一体どの程度と考えるのがよいでしょうか。その1つの解答として、目論見書の発行方法を調査しました。若年層がマイページからのダウンロードに集中しているのに対し、高齢者層は「紙の冊子」「Eメール」「マイページ」と三分される形となりました。またマイページにアクセスしたことがある方は高齢者層で78%(基礎データ参照)で、マイページにアクセスしたことがない方の理由を見ても「ITのことなんてよくわからない」高齢者像は少数派になりつつあることが窺えます。
本調査はインターネット調査であることに留意が必要ですが、高齢者層だからといってITリテラシーが低いわけではないというのがコロナ禍を経た昨今の認識として正しいようです。

また最近の動きとして、ネット証券が富裕層への攻勢を強めており、若年層がネット証券へ流れるだけではなくなってきています。既存証券会社は「富裕層を囲い込めている」と安心はできない時代になってきているのが実際です。富裕層をいかに強く深くグリップするかを考えたときに、前項を踏まえ、富裕層向けのチャネル戦略の更新が必要と考えられます。

◆対面の魅力と不満

このことを裏付ける回答として、店頭取引(対面での接客)を経験したことがある方に対面型の接客・取引のどのような点が魅力か尋ねたところ、若年層・高齢者層共に共通した回答となっており、顧客が理想とする接客は以下の3つだとわかります。

  • 「自分に合った商品を提案してくれる」
  • 「担当者の人柄がわかる」
  • 「投資信託に限らず、金融資産全体に対する運用アドバイス」

一方、店頭取引に対して不便・不満に思っている点は、こちらも世代を問わず共通して「窓口に行くのが面倒」「時間がかかる/手続きが遅くなる」で、この点をインターネット取引で取り込みたいと考えられます。

なお、高齢者層は店頭取引経験者のうち20%は「不便・不満に思う点はない」と回答しており、一定の満足度を獲得していると考えられます。

◆チャネルの理想は「かけあわせ」

では、対面とインターネット取引に2分すれば良いのかといいますと、そう単純ではありません。信頼する担当者がついて提案やアドバイスをしてくれることに魅力を感じている人が多い以上、インターネットに流しただけでは一長一短で、ニーズに対して深く刺すことができません。顧客にしてみれば、店頭取引のように信頼する担当者がついて提案やアドバイスをしてくれて、なおかつインターネット取引のようにスピードが速いことが理想なのです。

主要顧客である高齢者顧客をより深く刺し、顧客本位で便利にするその一つの解答は店頭とネットの「かけあわせ」で、つまりは「インターネット取引に店頭取引と同様に担当者がつく」ことと考えられます。20〜30代の59%、60〜80代の49%が、「インターネット取引に担当者がつく」ことに「価値を感じる」と回答しています。

なお、若年層の方が今回の調査では「価値を感じる」と回答した割合が多いため、「今ネット証券にどんどん若い顧客層を食われているなかで、中長期的にどのようにビジネスを成り立たせていくのか?」という問いに対するひとつの示唆たり得るでしょう。

証券向けebook「証券会社が挑むべきチャネル戦略2023〜全国消費者調査で分かった「かけあわせ」戦略」の詳細は以下のホワイトペーパーでご覧になれます。ぜひご一読ください。

https://lp.bell-face.com/shouken-channel-strategy/

【調査概要】
◆スクリーニング調査
調査対象:全国の25歳~85歳の男女
実施期間:2023年1月22日 ~2023年1月23日
サンプル数:20,000

◆本調査
調査対象:スクリーニング該当者( 20〜30代、および60〜80代の男女)
実施期間:2023年1月24日
回答数:800(400+400)
※直近1年以内に投資信託を購入したことが「ある」と回答した方2,012人に本調査を配信。

■bellFace(ベルフェイス)とは
銀行・証券リテール営業No.1シェアの電話面談システム「bellFace」は、アプリインストールやURL発行などの事前準備が不要で、電話とPC・スマートフォンを使って、簡単に資料や画面の共有ができるITツールです。ネットが苦手なお客様にも快適にご利用いただけるため、特に対個人の営業やコールセンターでのご利用に適しています。

顧客との電話コミュニケーションと活動記録を円滑にし、顧客のITリテラシーに関係なく、新しいコミュニケーションチャネルを実現させます。契約後は専任のカスタマーサポートが利用定着まで支援いたします。

またセキュリティ国際規格 ISO27001(ISMS) 認証を取得し、厳格なセキュリティ基準に則って運用をおこなっているため、大手企業や行政、金融機関等の導入実績も多数ある、安全なシステムです。

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